０と１

• Side 朝

　ほとぼりが冷める頃合と判断したのか、祖国に引き篭もっていた横綱が取り敢えず頭を下げに帰ってきた。伝統伝統と凝り固まっている割には、あの程度で反省したと判断して甘やかす横審の御偉方………相撲関係者としてはこれで終わりにして有耶無耶にしたいんでしょうな。本人も「１から出直し」とか言ってるんだし、いっその事降格くらいしても良かったような気もする訳で。かといって、あんまり厳しい処置を下して協会や横審側に責任が飛び火するのも嫌なんだろうけどな。

　散々品格品格と横綱に必要なモノとして主張するが、日本と諸外国では文化や道徳、思想も異なる訳であり、そんなに日本文化の伝統や品質を保持したいのであれば最初から外人力士なぞ輸入しなければ良いのだが、悲しいかな日本の力士だけでは収益がおぼつかない現実がそこにあり、伝統とか偉そうな事をのたもうても結局は金なのですよ。

　頭下げてもどこか横柄な横綱よりも、むしろ隣で終始肩身狭そうな親方の方が哀れに見えてしまう……。

Ass a show 龍「おいヘボ親方、何が悲しくて頭下げなあかんのや！お前が頭下げとけ！」
Tax a GO 親方「だ、駄目だよう……悪い子としたんだから謝らないと……（オドオド）」
Ass a show 龍「あ゛！？」
Tax a GO 親方「ヒ、ヒィ！どき魔女買ってあげるから！お願いだから謝って！」
Ass a show 龍「……フン、まほﾀﾝの為に頭下げてやるよ。サーセンしたー」
横審の偉い方々「もう人様に迷惑かけるなよこんガキャー」

　といった思惑があったかどうかは知らんが、案の定自分の非を認めるといった習慣が無い模様なので、また愉快な事をしでかしてくれる事でしょう。

• Side 亀

　その一方で、半ば意図的に横綱と謝罪会見の日取りを被らせたボクサーは頭丸めて「ゼロからのスタート」とかほざいておられる割には兄や会長のフォローをブッチして、さっさと練習再開と己のスタイルを貫き通すが筋は全く通らない御子様っぷりを御披露。謝り通して世間の好感度を若干回復させた兄の努力も台無しである。流石、やる事が違う。

Die key「もういいやん。頭丸めたし、当人ももういいって言ってるんだし」
Coke E「取り敢えず時間一杯謝り通せばそれで終わりやろ。我慢しぃや」
Die key「そもそもあのブタと会見日被らせて、こっちほぼスルーやないんかい……」
会長「HAHAHA！その予定だったんだけどねぇ……まぁ良いから頭下げろや、こんガキャー」
Coke E「後でエロゲー好きなの買ってやるから取り敢えず謝っとけって」
Die key「ウホッ！じゃあ謝る」

　とか裏取引があったのかどうかは余人の知るところではないが、誠意があったかどうかは世間様の方がよく御存知の様子なので、私如きがこれ以上言及すべきではなかろう。まぁ、遅まきながらせめて一言助言してやりたかった事としては、横綱の謝罪後の反応見てから傾向と対策を立てるべきだったんじゃねぇですかねぇ……あのボクサーがそういった作戦やら大人の事情を理解するだけの知能があればの話ですけどな。

• 結局何がしたかったのか？

　まぁ言うまでも無く、当事者に頭を下げさせて騒動を鎮火したかったのだろうが、肝心の仮病に仮病で塗り固めた横綱は自分が悪い事をしたという意識に欠き、腹を切る度胸が無いので頭丸めて自己完結したボクサーも似たようなものである。ボクサーに至っては兄の謝罪会見の効果で半ば世間の目が逸れていただけに、横綱と会見日を被らせる事で返って事態をぶり返してしまった様にも見える。そして当事者がアレなので余計に事態が悪化してしまった感がある。

　巡業サボってサッカーに興じた事を咎められ、臍を曲げて鬱の振りして祖国に引き篭もった横綱と、対戦相手を散々コケにして負けたら切腹とまで豪語したものの、いざ試合で実力の差を見せ付けられて自棄を起こして反則三昧で世間に叩かれて自宅に引き篭もったボクサー。二人は何処か似通っているが、謝罪会見の日取りも反省の色が無い事まで似なくても良いのにな。

あんなアレでも業界的にはまだ価値がある今日の一言
「謝れば許されるという保証は無い」だからといってふて腐れるのは良くない